東京都渋谷区の歴史
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 所在地 渋谷区渋谷3-5-8 (東福寺) 渋谷区指定有形文化財 銅造菩薩立像 (善光寺式阿弥陀如来脇侍) 平成20年(2008)2月28日指定 本像は、六方山型の宝冠をかぶり、胸前で両手を重ねるすがたから、いわゆる善光寺式阿弥陀如来の脇侍像にあたると考えられます。宝冠正面の標識が確認できませんので、左右脇侍のいずれにあたるかは不明です。信濃善行時の本尊阿弥陀三尊像に基づくという銅造阿弥陀如来像の一光三尊形式の流行は、鎌倉時代に入って高まりますが、本像はその一例証です。 銅の鋳造で、鍍金は認められません。頭部から足先まで位置鋳製に見えますが、現状は補修の痕跡をとどめています。頭部には、火を被った痕が確認でき、その痕跡を残さない体部とは別に鋳造されたとみられます。頭部は宝冠のかたちや端正な顔立ちから、鎌倉時代後期の表現が観取でき、類例から13世紀後半の作とみられます。 一方、撫で肩で細身の体部も、まとまりのある造形を示しており、南北朝時代を降らない作とみられます。鋳継ぎの際に頭部をやや上げ過ぎるかたちになったものの、全体の姿形は自然でつながりもよいものです。中世に遡る善光寺式阿弥陀如来の脇侍像が、区内に伝存する例はほかにありません。加えて本像は、通称「矢拾観音」として「江戸名所図会」等にも紹介されております。その霊像が本像であったという「寺社書上」(文政11年〔1828〕)の伝えもあり。本像が「矢拾観音」にあたると確定できませんが、その可能性も否定できず、今日まで信仰を集めています。 渋谷区教育委員会 PR |
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